ひのきしんスクール「家族への支援 ~思春期の親子関係を考える~」
6月10日(日) 参加者 102名(スタッフ含)
「ひのきしんとは」
飯降多鶴先生(本部ひのきしんスクール運営委員)
お道のひのきしん精神の基本を話されました。外部講師の先生方も参加され、ボランティアとの違いにうなずいておられました。
・ 講義Ⅰ「思春期の子どもと親」
早樫一男先生(臨床心理士・ファミリーセラピスト・西陣部属彌生布教所長)
扱いにくいと言われる、思春期の子どもの体と心の変化について、また、子どもに「家庭・学校(社会)・自分」の中に居場所があるのか、そして、父親、母親としての親の役割などについて分
さらに重要なのは、様々なストレスの渦中にある思春期の子どもを持つ熟年期・更年期の親、いわば思秋期の夫婦のあり方だと指摘され、教えに基づいた夫婦・親子関係の構築に努めるよう話されました。かりやすくお話されました。
・ 講義Ⅱ「不登校・ひきこもりの支援の現状と子どもの様子」
井上尚子先生(元・福岡市こども総合相談センターこども相談課思春期主査)
三村吉郎先生(YMCA学院高等学校職員)13歳から20歳までの7年間、不登校、ひきこもりの当事者であった三村先生の、生々しい実体験の話をしていただきました。いろんな要因が重なりひきこもるようになり、出ようとすれば体調まで崩し、昼間に学校に行っている友人のことを思う後ろめたさも加わって昼夜逆転の生活になり、テレビやゲームなどで過ごす。
だれにでもひきこもりになる可能性はあり、一番ひきこもりから脱出したいと思ってもがき苦しんでいるのは本人自身である、という話に思いを新たにしました。その気持ちを理解し、家族などは適切な距離を保って、認めて、信じて、寄り添ってほしいです。
自分ができそうな事を、陰から支えてくれた母親の深い愛情と、福岡市が取り組んでいる支援活動・ピースフルのお陰で立ち直ることができたと話されました。
・ 講義Ⅲ「児童虐待に関する福岡県弁護士会の取り組み」
小坂昌司先生(弁護士・日弁連子どもの権利委員会副委員長・福岡県弁護士会子どもの権利委員会委員)
弁護士会の「子どもの権利委員会」の活動紹介とともに、少年非行の背景や家庭環境、接し方、更生のための問題点などをお話しいただきました。問題のある子どもには、問題のある家庭、親が下地になっている。親や家庭の在り方が基本となる、お道の教えの大切さを感じました。
また、大きな問題になっている児童虐待についても話され、虐待をする親だけでなく、心身共に孤立化する地域社会の在り方もお話しいただきました。
・パネルディスカッション「青少年問題にどう取り組むか」
各先生をパネリストに、受講者からの質問に対する答え、また、講義の中から注目されるテーマについてディスカッションが行われました。
教会や信仰家庭が、教理に根ざした明るい家族・家庭として、地域社会の手本雛形となり、思春期の子どもに関する悩みを持ち、苦しんでおられる周りの人々へ、今回の講義を生かして役に立ててもらいたいです。
子どもだけでなく親たちも、大人たちも、自分の居場所を持たない、持てない人が増えている。また、個人主義や孤立化がある意味で居心地の良い自分を作るが、反面では大きな問題を生み出している原因でもある。今こそ、教会や信仰家庭が、教えの根幹をなす夫婦、親子など家族の在り方やいんねんの教理を通して、身の回りの多くの方々を支える「居場所」に、心の「拠り所」なれるよう努力を重ねる必要を実感しました。
地域社会でご活躍のすばらしい講師の先生方が、お道の教理にふれる良い機会となりました。また、教内の福祉関係の活動に、認識を新たにされたことと思います。