教育講演会 開催報告 10/23

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10月23日、道の教職員の集い主催にて教育講演会を開催。講師に、福岡高等視覚特別支援学校高等部教頭の原田智佳先生(ようぼく)を迎え、「子ども達の豊かな生活を実現するために」―発達障害児の理解と支援について―と題して行い、32名(うち教区福祉担当者7名も研修として)が参加しました。原田先生は講演の中で、
「発達障害[自閉症、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)]自体は全く問題ないが、その障害が見えにくく、『ルールを守らない』『わがままで自分勝手』などのレッテルを貼られ、ひきこもりや不登校、暴力的になるなどの二次障害が生じることが問題である。私たちは障害(子どもの見方、感じ方)を特性と捉え、行動の背景を探りながら子どもに対する見方を変えてゆくことが大事である。発達障害の子は、言外の意味が分からなかったり、見て真似をすることができなかったりするので、『そんなところまで』といわれるところまで丁寧に教え、障害に応じた合理的な配慮をすることが必要である」
「自閉症はこだわりが強く、対応に最も工夫が必要である。こだわりの顕著な例は偏食であるが、偏食するには理由がある。偏食を善悪の問題とせず、理由をじっくり聞き、現実的・実践的な課題に置き換え、食卓は安心で、楽しい場であることを理解させることが大切である」
「発達障害ではないが、反抗的でイライラし、扱いにくいなどといった症状の愛着障害も多い。これは幼児期に長期にわたって虐待などを受けたことにより、人の感情や表情を読み取る脳の部分が十分育っていないために起こるものであるが、安心・安全な食事環境をつくり、共感の体験を繰り返すことによって改善できる」
「障害は個人ではなく社会にある。つまり障害者の力に合わせて支援していくことで障害者の社会的自立ができるということである。私たちが見方を変えていかねばならない」
と話されました。参加したほとんどの人が、分かりやすかった、大変参考になった、という感想を書かれていました。(報告 山口道弘)